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超大手転職エージェントが語る業界の裏事情

      2016/05/06

【この取材記事で分かること】
・無理やり転職させちゃうの!? な裏事情。
・転職に成功する人たちの特徴とは?
・エージェントが教えるエージェントの正しい使い方。

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エージェントヤス
ボス、ネットでは転職エージェントのメリットばかりが取り上げられていて、デメリットを大々的に打ち出しているサイトってほとんどないですよね。

エージェントヤス プロフィール

伝説のエージェント
うむ。
まあ、そんなことを書いてもお金にならないからな。当然といえば当然なのかもしれない。

伝説のエージェント プロフィール

エージェントヤス
でもデメリットがないサービスなんて逆にあやしいと思っちゃうのは僕だけでしょうか?
伝説のエージェント
もちろん転職エージェントにもデメリットはある。詳しくはこの記事を読むといい。
伝説のエージェント
ただし、これはあくまでも一般的な転職エージェントのデメリットのことしか言及していない。転職エージェント会社単位で見れば他にもさまざまなデメリットがあるはずだ。
エージェントヤス
各転職エージェント会社固有のデメリットですか…… なんだか気になります。
伝説のエージェント
エージェントヤスよ、興味があるのならば私の知人の男に会ってみるといい。彼は、志が高く優秀なエージェントだったのだが、その志の高さ故に良心の呵責にさいなまされエージェントを辞めることになったんだ。
エージェントヤス
是非お会いしたいです!
伝説のエージェント
うむ。駆け出しの君にとっていい勉強になるだろう。

エージェントヤス
Aさん、本日はよろしくお願いします!
Aさん
こちらこそよろしくお願いします。
エージェントヤス
早速ですが、Aさんはどのような転職エージェント会社に所属していたのでしょうか?
Aさん
はい、◯◯という転職エージェント会社で働いていました。
エージェントヤス
え!?
◯◯といえば超大手の転職エージェント会社じゃないですか!

そこでどのようなお仕事を担当されていたのでしょうか?

Aさん
転職エージェントと一口に言っても、転職希望者を担当するキャリアアドバイザーと企業を担当する部署の2つにわかれているんですね。

私は企業の担当だったのですが、そこでは主に金融を担当し、企業の新規開拓や転職希望者のサポートを行っていました。

エージェントヤス
キャリアアドバイザーだけでなく、企業の担当者が転職希望者をサポートすることもあるんですね?
Aさん
はい。
企業をよく知る者が転職希望者のサポートに加わることで、より質の高いサービスを提供することができます。そのためかなり高い頻度でサポートに参加していました。ときには企業が欲しい人材を自ら登録者の中から探すこともありましたよ。

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エージェントヤス
キャリアアドバイザーに加えて、実際に企業の担当者を熟知する方もサポートしてくれるのは、かなり心強いですね。

エージェントのお仕事は、やりがいがありましたか?

Aさん
転職エージェントは人の人生に直接関われる仕事です。それもあってか、この業界は志高く入社する人が多いようです。私も例外ではなくやりがいもやる気もかなりありました。
エージェントヤス
転職って人生の大きな岐路ですよね。その人の人生を左右すると言っても過言ではない気がします。

志高く入社したエージェントが辞めた理由とは?

エージェントヤス
では、なぜ志高く入社されたのにも関わらず退職されたのでしょうか?
Aさん
実は、人材紹介業界のやり方が私には合わなかったんです。
エージェントヤス
どういうことでしょうか?
Aさん
転職エージェントは、ボランティアではなく営利企業ですので、当然ながら売上げをあげないと存続していけません。つまり、登録者を企業に採用してもらわないといけないのです。

しかし、登録者も企業も複数のエージェントに登録するのが当たり前ですので、必ずと言っていいほど他社と競合します。

私が担当していた金融は高年収の方が多かったので、毎回ひとりの登録者を複数のエージェントで取り合う形になっていました。

私を含め、どのエージェントも自分が勧める企業に入ってもらいたいじゃないですか? 会社の売上げがあがるのはもちろんですが、なにより自分の評価に関わってきますから。その結果、ゴリ押し合戦がはじまるわけです。

エージェントヤス
ゴ、ゴリ押し合戦ですか!?

転職エージェントのゴリ押し合戦とは?

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Aさん
例えば、他のエージェントが勧める企業のアラを探してそこを突いたり、内定後の返事待ち期間に勝手に締切りを設定して、今日決めないと採用見送られますよと焦らせたり…… 裏でこういうやりとりが行われるのです。
エージェントヤス
え!?
Aさん
また、このゴリ押しは企業に対しても行いました。

このままでは他の企業にとられてしまうので、登録者に直接プッシュしてくださいとか、条件を変更してくださいなどと……。

登録者の人生を豊かにするお手伝いがしたくてエージェントに入社したはずなのに、気づけばその気持ちがどこかにいってしまっていたのです。

エージェントヤス
それでは本来の役目である転職希望者と企業のマッチングも見られないですね。

よく転職エージェントのデメリットとして、「ゴリ押し」や「強引に勧める」などが挙げられていますが、実際はそんなことないだろうと思ってたんです。

というのも、いくら採用されても入社後すぐに辞めてしまっては、報酬が入らない、もしくは減額されてしまいますよね? それどころか、企業の信頼も失うはずですから。

Aさん
実は、そのためにあるのが入社後のフォローなんです。
エージェントヤス
えっ!!??
入社後のフォローって、採用条件の確認や登録者のアフターケア的なものではないのですか?
Aさん
もちろん、それもあります。
ただ、本意は辞めさせないフォローなんです。

入社後のフォロー時に、辞めたいと言う方は少なからず現れます。

先程エージェントヤスさんが言ったように、早期退職は報酬や企業からの評価に影響するので、こちらとしては辞められては困るんです。

エージェントヤス
ですよね?
では、どうやって引き留めるのでしょうか?
Aさん
時と場合で言い回しは変わりますが、

・短期間で辞めると経歴に傷がつく(次が決まらない)。
・まだ○ヶ月ですよ? もう少し頑張ってみましょうよ。

だいたいこれで引き留められます。
そもそも、家庭がいる方はなかなか辞める決断ができません。

エージェントヤス
えー!!
かなり驚きです。正直引くくらい驚いています……。

それがきっかけで退職されたんですね。

Aさん
はい。
登録者の方から「ありがとうございました」とお礼の言葉をいただくたびに、とても複雑な心境になりました。
エージェントヤス
う~ん…… 結果としてその方々がハッピーに感じているのならいい気もするんですけど、気持ちにどう折り合いをつけるのか難しいところですね。
Aさん
そうなんです。感謝されてるんだからと自分の中で納得できたらよかったのですが、その方の人生を豊かにするという観点で考えたら、別の選択肢を勧めたほうがいいケースもあるわけですから。

嘘も方便と自分を騙してきましたが、耐えられなくなってしまいました。

エージェントヤス
もしかして会社側からゴリ押ししろ! とか、絶対に辞めさせるな! みたいな指示が出たりするのでしょうか!?
Aさん
さすがにそれはありませんでしたが、いくらキレイ事を並べても採用してもらわないと話しにならないので、必然的にそういう流れになっていったんだと思います。
エージェントヤス
これって人材業界全体の傾向なんでしょうか?
Aさん
他社のエージェントの話だと、これでもまだ良心的なほうだと聞きました。
エージェントヤス
……。

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強引なエージェントに負けない方法

エージェントヤス
そうは言っても転職エージェントにも良い点はありますよね??(笑)
Aさん
もちろんです(笑)。
どのサービスにも言えると思いますが、そういう悪い側面もあるということです。

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エージェントヤス
ただ、転職のプロであるエージェントから勧められた企業は、どれもよく見えてしまいそうですよね。エージェントのゴリ押し合戦に負けないためにはどうしたら良いのでしょうか?
Aさん
大切なのはいかに自分を客観的に見ることができるかだと思います。
エージェントY
でも客観視ってそう簡単にできるものでしょうか?
Aさん
確かに当事者だとなかなか難しいと思いますので、まずは冷静になることが大事です。エージェントに急かされてもグッとこらえて一歩引いて考えてみましょう。

親しい友人や家族、信頼できる人に意見を求めるのもいいと思います。自分では思いもよらない回答が返ってくるかもしれません。

エージェントヤス
自分の状況を友人に置き換えてみてもよさそうですね。友人が同じように悩んでいたら自分ならどうアドバイスするか? こんな風に考えてみると答えが出やすいかもしれませんね。

転職に失敗しない人の特徴

Aさん
これもお話ししておきたいのですが、実は転職に失敗しない方に共通する特徴がひとつあるんです。
エージェントヤス
なんでしょうか?
Aさん
それは、徹底的に調べているという点です。

転職は人生の大きな岐路であることは、みなさん頭では理解していると思うのですが、いざ転職活動となると意外と必死にならない方が多いんですよね。

エージェントヤス
働きながらの転職活動はどうしても時間を割きにくいですし、自然とラクな方向に進んでしまいそうです。
Aさん
気持ちはよく分かります。転職活動は体力を使いますし、本来人間は面倒くさがりな生き物ですからね。
エージェントヤス
だからこそ差をつけられるポイントなんですね。
Aさん
そうなんです。

今は、ネットでさまざまな情報を得ることができる時代です。企業のIR情報を見て研究したり、人脈を駆使して希望の企業の社員に話を聞くとか、成功する方は1歩も2歩も進んだ行動をとっています。

働きながらの転職活動は大変ですが、長い人生のほんの一瞬の出来事ですからね。転職と真剣に向き合う時間がその後の人生を豊かにしていくんだと思います。

エージェントヤス
転職エージェントは転職のプロですが、任せっきりは危険なんですね。転職は人生に大きく関わってくるので、もっと真剣に当事者意識を強く持つべきですね。

エージェントが教える転職エージェントの使い方

エージェントヤス
それでは最後の質問です。
Aさんが転職希望者の立場でしたら、転職エージェントを利用すると思いますか?
Aさん
はい、利用すると思います。
ただし、あくまでも転職活動の一部として利用します。
エージェントヤス
転職エージェントに依存した活動はしないということですね。

例えば、他にどのような活動をするか具体的に教えていただけないでしょうか?

Aさん
もし、大本命の企業があったらエージェントを利用せずに直接応募します。

転職エージェントは、企業に対して採用にかかる時間の短縮というメリットがある反面、大きな採用コストがかかるので、なるべくならエージェント経由で採用したくないという側面もあるのです。そのため自分と同じくらいの能力のライバルがいた場合、企業はそちらを採用する可能性が非常に高いです。

だから絶対にここに行きたい! という本命企業がある場合、私なら直接その企業に応募します。

一概には言えませんが、そのほうが熱意が伝わるかもしれませんし、他の登録者よりも目立てる可能性が高まります。

エージェントヤス
なるほど。
転職エージェントのメリットを最大限に活用しつつ、他のサービスや自ら動いてリスクヘッジするというわけですね。

とても勉強になりました。

ex-agent5

Aさん
なんだか暴露話みたいになってしまいましたが、転職エージェントにはデメリットを上回るたくさんのメリットがあります。上手に活用すれば本当に素晴らしいサービスだと思いますよ。
エージェントヤス
当サイトとしても、転職エージェントを勧める上でメリットばかりを紹介するのは避けたいと思っています。その中でAさんのお話しを伺えて本当に良かったです。デメリットをしっかり理解したうえで、賢い利用ができたら最強のサービスになりますね。

今日は、ありがとうございました!


エージェントヤス
ボス、とても勉強になりました。

正直Aさんの裏話には驚きましたが、転職エージェントはよく理解して利用すればとても良いサービスになると確信できました。

伝説のエージェント
うむ。
転職エージェントは営利企業、つまり言い方は悪いが転職希望者は商品だ。それを理解して利用するだけで結果は変わってくるだろう。
エージェントヤス
エージェントに言われるがままに決めず、冷静になって第三者に相談するなどじっくり考えるべきなんですね。

Aさんはエージェントとの相性が合わなければ変更を申し出るべきだとおっしゃってましたけど、そもそもどうやって転職エージェント会社を選べばいいのでしょうか?

伝説のエージェント
そうだな。自分に合ったエージェントと出会うためには、なるべくその確率が高くなる転職エージェント会社を選ぶといいだろう。
エージェントヤス
確率を上げるには…… エージェントの母数が多いほうがいいですね!
伝説のエージェント
その通りだ。
エージェントの在籍人数が多いのは断トツでリクルートエージェントだ。その数800名以上というから驚きだ。

リクルートエージェント公式サイト2

伝説のエージェント
次いでDODAとJACリクルートメントという順番になる。
エージェントヤス
JACリクルートメントというと外資に強いイメージですね。
伝説のエージェント
うむ。
まずはリクルートエージェントに登録し、外資に興味があればJACリクルート、そうでなければDODAに登録するといいだろう。

JACリクルートメント公式サイト2

DODA公式サイト2

エージェントヤス
なるほど!

Aさんのおかげで自分で調査することの大切さもよくわかりました。

伝説のエージェント
時間がないことを言い訳にするのは簡単だが、それなりの行動ならそれなりの結果しか返ってこないだろう。
エージェントヤス
転職は多くても人生の中で数回程度のイベントですよね。もっともっと真剣に取り組むべきだと思いました。

大本命の企業がある場合、直接応募したほうが採用率が上がることがあるというのも目からウロコでした。

伝説のエージェント
これは企業によるところが大きいので一概には言えないが、そういう側面があることは事実だろう。

いずれにせよ時間のなさを言い訳にせず、自ら考えて行動することを放棄しないことだ。すべて自分に返ってくるからな。