履歴書は手書き?印刷?丨転職の場合はこれが正解!
2016/02/12
履歴書は手書きと印刷どちらがいいの?
エージェントP
ヤスさん! 昨日仕事中にツイッターを見ていたら、こんな気になるツイートを発見したんです!
エージェントY
話の前半にはいったん目をつむるとして、どんなことが気になったんだい?
エージェントP
これを見て下さいよ。
手書きはやめて欲しいね。 履歴書が手書きの奴は採用候補に入れたくない – http://t.co/TOyql6les4
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2015, 3月 8
エージェントY
実業家の堀江貴文さんだね。えっと、「履歴書が手書きの奴は採用候補に入れたくない」か……。
エージェントP
これって、ホントの所どうなんですかね!? やっぱり印刷するよりも手書きの履歴書とか職務経歴書のほうが良いんですか?
伝説のエージェント
難しい問題だな。どちらも一長一短といえばそれまでだが、双方に良いところと悪いところがあるのは確かだ。
エージェントY
今後のために、ぜひ詳しく教えて下さい!
伝説のエージェント
いいだろう。今回は「転職の履歴書は手書きと印刷どちらがいい」かについての講義だ。
目次
履歴書の目的ってなんだ?
伝説のエージェント
それではまずはじめに、履歴書の目的とはなんだろうか? では、エージェントP。
エージェントP
はい! 穏やかな余生を過ごすためです!!
伝説のエージェント
うむ。面接、就職そして仕事の延長線上には確かに老後があるだろう。ただ、今回に限って言えばもう少し直近の目的についての回答が欲しかったな。次、エージェントY。
エージェントY
はい。自分の人物像を把握してもらい、面接を円滑に進めることだと思います。
伝説のエージェント
70点だな。我々は転職エージェントだ。転職希望者の立場に立ち、面接を円滑に進めるだけではなく、採用のことまで考えていかなければならない。
企業に採用してもらうための資料と考えると、履歴書の目的はただ一つ。採用担当者に「一緒に働きたい」と思ってもらえるかどうかだ。
エージェントP
でもその考え方からすると、手書きの方が印刷されたものより良いってことになりません? 僕は印刷されたラブレターよりも手書きのラブレターのほうが嬉しいし、一緒にいたいなと思いますよ。
エージェントY
なぜか苛立つ例えだね。
手書き神話は聞き飽きた
伝説のエージェント
確かにその通りだ。従来の考え方からすると、手書きのほうが印刷されたものより印象に残り、意欲を伝えることができただろう。
エージェントP
今はそんなことないんですか?
伝説のエージェント
昨今は状況が異なってきている。エージェントPが見つけてきた堀江氏のIT企業や、そのほか外資企業などでみられる傾向だが、印刷された履歴書やデータでの履歴書のほうが企業に好まれることがある。そして年々そのケースは増えているのだ。
エージェントY
新卒採用と転職ではまた事情が異なりそうですね。
伝説のエージェント
ああ、そうだな。会社の方針や社風もあるが、転職の際はより印刷(データ)での履歴書が主流になりつつある。
手書きと印刷それぞれ一長一短
エージェントY
でも一長一短ということはそれぞれにメリット・デメリットがあるということですよね。転職希望者にちゃんと説明できるようにしたいので、それぞれ詳しく教えていただいてもいいでしょうか?
伝説のエージェント
勿論だ。それでは一つ一つ見ていくことにしよう。
手書き/メリット
1.意欲が伝わる
伝説のエージェント
手書きのほうが、採用担当者によっては気持ちが伝わりやすい。良くも悪くも旧態依然とした大企業などで多い慣例だが、これは仕方のないことかもしれないな。
エージェントP
いやいや、そんな採用担当者は良くないですよ! 内容が変わらないなら、なにも手書きでなくてもいいじゃないですか!
伝説のエージェント
そう思うだろ? しかし一概にそうとも言えないんだ。例えば毎年数千人の応募者がいる大企業では、意欲のない人間はそうそうに切って採用のコストを下げていきたい。
エージェントY
それはそうですよね。
伝説のエージェント
すると、手書きの履歴書は一つの判断材料となるのだ。たとえば雑なものから切り捨てていくことができる。ここでの雑とは、何も字が汚いということではない。丁寧でないということだ。
エージェントY
「雑(丁寧でない)」って「字が汚い」と近いように思えますが……。
伝説のエージェント
字の汚い履歴書が必ずしも丁寧でないとは言い切れない。採用担当者はプロだ。気持ちを込めて書いた履歴書とそうでないものは、字を一目見れば分かるだろう。そういった担当者の心情を考慮すると、手書きのほうが意欲は伝わりやすいといえる。
2.個性が伝わる
エージェントY
それじゃあ、意欲と同様に「個性」も伝わりやすそうですね。最初から最後まで字がキレイな人は忍耐強かったり、一行あたりの文字数がだいたい同じ人は几帳面だったり……。
伝説のエージェント
それも手書きのメリットの一つだ。最初に言った通り、履歴書の目的は「一緒に働きたい」と思ってもらうことだ。採用担当者がエージェントYが想像したようなことを同様に考え、忍耐強い者が欲しいと思ったらその履歴書を提出した者と是非会ってみたいと考えるだろう。
エージェントP
たしかに、字を書くという行為は性格が反映されやすいことなのかもしれません。
伝説のエージェント
百聞は一見にしかずだ。二人とも文字を書いて見せてくれ。たとえば「よろしくお願いします。」と書くだけでも、案外性格が出るものだぞ。
エージェントY
はい、書けました。
伝説のエージェント
字の間隔や漢字の形など、丁寧なエージェントYらしさがでるな。
エージェントP
書けました!!!
伝説のエージェント
実にコメントしづらい下手さだな。あと「お」と「願」の間が異様に空いているのも不安になる。
手書き/デメリット
1.文字が読みにくい場合がある
伝説のエージェント
手書きのデメリットだが、字が汚い者はどうしても不利になってしまうことは否めない。程度にもよるが、純粋に読みづらい履歴書は資料として扱いづらくなってしまうからな。
エージェントP
そんな、字を綺麗にするのって一朝一夕じゃどうにもならんですよ……。
伝説のエージェント
そこで先ほどの丁寧さが大切になってくる。いくら文字が汚くても、相手のことを考えて丁寧に書いた文章はちゃんと読めるものだ。だからこそ、手書きの履歴書は人柄を見る判断材料の一つになるんだろうな。
2.作成のコストが高い
エージェントY
でも、一枚一枚丁寧に書くというのは作成に時間がかかりそうですね。
伝説のエージェント
その通り。それがデメリットの二つ目だ。さらに履歴書は修正液やテープで直すことが良しとされていない。どれだけ丁寧に気持ちを込めて書いても、最後の一文字の漢字を間違えてしまったら……。
エージェントP
ボンッ……。
エージェントY
いや、別に爆発はしないからね。
伝説のエージェント
10社転職するとしたらそれだけで10枚履歴書が必要だ。内容の半分は一語一句全く同じだとしても、な。
3.ITや外資企業ではマイナスに働くことがある
伝説のエージェント
注意して欲しいのは、企業によってはそもそも受け付けてもらえないということだ。
エージェントY
堀江さんの例ですね。
伝説のエージェント
そうだ。理由は様々だが、一つに利便性の問題があるだろう。印刷も勿論そうだが、転職の履歴書はデータで求められることが多い。なぜだと思う、エージェントP。
エージェントP
はい! 紙の削減で地球温暖化への貢献です!
伝説のエージェント
今日は視点がマクロだな。もっと狭めていこう。エージェントY。
エージェントY
個人情報保護の観点でしょうか? 紙だといちいちシュレッダーにかけなければいけませんし……。
伝説のエージェント
たしかにそれもあるが、それ以上に管理が容易であることが挙げられるだろう。データベース化することで過去の転職希望者と比較することもできるし、ワードごとで検索することも可能になる。紙の履歴書だとこうはいかない。
エージェントY
採用の精度を上げるためには、データベース化したほうが良いということなんですね。
伝説のエージェント
その通りだ。
印刷/メリット
1.文字が読みやすい
伝説のエージェント
では、印刷(データ化)された履歴書のメリットはなんだろうか。
エージェントP
手書きのデメリットがメリットになるということですよね。
伝説のエージェント
お、いいところに気がついたな。
エージェントP
つまりは……、最後の一文字を間違えると爆発する?
伝説のエージェント
そこじゃないな。
エージェントY
まずは文字が読みやすいということが挙げられますね。
伝説のエージェント
うむ。印刷物ゆえ、フォントにもよるが文字としては最高水準の読みやすさが得られるな。
2.作成のコストが低い
エージェントY
あとは一枚あたりの作成時間が短縮されます。ミスしても書き直せますし、文章の構成を変えたいと思ったときもすぐです。
伝説のエージェント
そうだな。作成のコストがぐっと下がるということが大きなメリットだろう。
コストを低くすることのできる理由は修正が容易であるほかにもう一つあるのだが、エージェントP、なんだか分かるか?
3.転用が容易
エージェントP
パクってコピペができる点ですね!
伝説のエージェント
言い方はあれだが、正解だ。つまり他の履歴書への転用が容易になるのだ。先ほど言ったとおり、複数枚書かれた履歴書の半分は同じ内容であるといえるだろう。その部分を転用すれば、単純にコストは半減する。
4.ITリテラシーをアピールできる
エージェントY
いずれも手書きの履歴書の対極となる理由ですね。その他にも、データの履歴書ならではのメリットなどはありますか?
伝説のエージェント
そうだな。ある程度のITリテラシーをアピールすことができるだろう。
エージェントP
履歴書のデータにウイルスを忍ばせて採用担当者PCにハッキング、自分の採用評価を最大値まで引き上げる、とかですか?
エージェントY
そこまでできたら引く手あまただろうね。
伝説のエージェント
もっと初歩的なことだ。データの履歴書を送る場合はフォーマットをエクセルやワードで作成するのが良いとされているが、これを提出できた時点である程度MicrosoftOfficeを使えることの証明になるだろう?
エージェントY
なるほどなるほど。
伝説のエージェント
不文律的なネットリテラシーでいえば、漢数字を大文字にするか小文字にするかでも見えてきたりするものだ。普段からPCやインターネットに慣れ親しんでいる者ほど半角英数字を使う傾向にある。
エージェントY
たしかに私が採用担当だとしても、英数字の全角半角を揃えてくる方のほうが「一緒に働きたい」と思いますね。
印刷/デメリット
1.意欲が伝わらないことがある
エージェントY
印刷のデメリットとなると、やはり先ほど同様に手書きのメリットが活きないということですよね。
伝説のエージェント
そういうことだ。手書きのほうが意欲が伝わりやすいのであれば、反対に印刷物では意欲は伝わりづらい。いや、厳密に言えば、意欲が伝わりづらいと考える採用担当者もいるということだな。
エージェントP
せっかく書いた履歴書でも「せやかて、どうせ他の企業のコピペやろ?」って思われてしまうことは十分に考えられますもんね……。
エージェントY
(関西の企業を受けてるのかな?)
伝説のエージェント
もっと極端な採用担当者だと、印刷の時点で受け付けてくれないところもあるようだ。
2.全く評価対象とならないこともある
エージェントY
それは極端な気もしますが……。
伝説のエージェント
ご高齢の採用担当者に多いようだな。極端な例に見えるかもしれないが、データでしか受け取ってくれない企業もあるのだから、何も驚くべきことではあるまい。
エージェントP
うーん、どちらもそうですが、なんだか納得いきませんね。
伝説のエージェント
それでいいんじゃないか?
エージェントP
え?
伝説のエージェント
例えば、プリントアウトの履歴書を断るような会社は企業のIT化が進んでいないことが明白だ。それを逆手に取って、転職希望者側で企業を選定できるという考え方ができるのではないだろうか?
エージェントY
なるほど! そういった企業は年功序列のようなイメージがありますもんね。
伝説のエージェント
もちろん一概にそうだとはいえないが、一つの判断基準になるのではないだろうか。企業はそれこそ数えきれないほどある。印刷の履歴書が通らない(手書きの履歴書が通らない)といった凝り固まった企業にわざわざ行く必要はないのかもしれないな。
メリット・デメリットまとめ
エージェントY
ここまでのメリット・デメリットをまとめた表がこちらになります。
手書き | 印刷(データ) | |
---|---|---|
メリット | ・意欲が伝わる ・個性が伝わる | ・文字が読みやすい ・作成のコストが低い ・転用が容易 ・ITリテラシーをアピールできる |
デメリット | ・文字が読みにくいことがある ・作成のコストが高い ・ITや外資企業ではマイナスに働くことがある | ・意欲が伝わらないことがある ・そもそも評価対象とならないことがある |
結局どっちが良いの?
エージェントP
どちらも一長一短なのはわかりましたが、結局のところどちらにしたら良いんですか!
伝説のエージェント
結論を出すことはできないが、一つの考え方の指針としては以下を参考にしてほしい。
一昔前:迷ったら手書き
伝説のエージェント
従来の考え方であれば、迷ったら手書き、でよかった。
なぜなら、印刷でマイナス評価になることはあっても、手書きでマイナス評価になることはそうそうなかったからだ。
エージェントY
であれば、安全策をとって手書きになるのは頷ける話ですね。
エージェントP
ただ、これまでは、ということですよね?
2016年以降の転職:相手の企業に合わせる
伝説のエージェント
そう、これまでは手書きでよかったのだ。しかし、2016年の転職事情を考慮すると、相手の企業に合わせるのが正解だ。
最近は印刷されたものやデータの送付がスタンダードになりつつあるが、前述の通りまだまだ紙至上主義の考えは根強い。
エージェントY
同様に、印刷(データ)至上主義も存在する、と。
伝説のエージェント
ああ。つまるところ本当に行きたい企業であれば、その企業が好む形式で履歴書を送付するのが最も良いということだ。
相手の企業に完璧に合わせるためには?
エージェントP
いやいやいやいや、志望する企業の好みが分かったらはじめから苦労はしてないって話ですよ!!
伝説のエージェント
だろうな。核心をついているぞ。
エージェントY
なにか解決策はないのでしょうか? 企業のホームページに手がかりがあるとか、募集要項にヒントがあるとか……。
伝説のエージェント
そんなものは簡単だ。
エージェントP
え?
伝説のエージェント
企業と直接やり取りをしている転職エージェントに聞けばよいのだから。
エージェントY
あ……、なるほど!!
伝説のエージェント
まあエージェントを利用して転職活動を進めていけば、こちらから質問をするまでもなくエージェントから形式を指定してくれるだろう。
最も、エージェント利用では一つ作った履歴書や職務経歴書を使い回すことが常だがな。仮に手書きが好まれる企業であれば、よっぽどでなければ担当のエージェントが教えてくれることだろう。
転職エージェントに聞くのが正確
エージェントP
はじめからエージェントを利用すればいいということだったんですね。最初に教えてくれればよかったのに〜! も〜!
伝説のエージェント
物事は道筋立てて説明をしたほうが理解しやすいからな。ぜひ今回のことを転職希望者にも伝えてほしい。
エージェントY
了解です。ちなみに、どこの転職エージェントを利用するのが良いでしょうか?
伝説のエージェント
履歴書という観点から考えると、「JACリクルートメント」をぜひ利用して欲しいと思う。
JACリクルートメントのエージェントは両面型といって、求職者と企業のどちらも直接やり取りをするタイプのエージェントが在籍している。
つまり、履歴書に関しても確実に正しい情報を伝えてくれるというワケだ。
エージェントP
それが手っ取り早いっすね! 採用採用担当者本人から望ましい履歴書の形式を確認するに越したことはないですから。
伝説のエージェント
形式以上に内容が大切なことは言うまでもないが、つまらないことで減点をもらうことほど勿体無いことはないからな。
エージェントY
勉強になりました、今日もありがとうございました!
エージェントP
したっ!