これだけは外せない、転職の企業研究7つのやり方
転職エージェントに紹介された案件って、「そもそもそんな会社知らなかった〜」ってケースも多いじゃないですか?

お、なんだか珍しく真面目なスタートだね。期待しちゃうよ。
そんな会社だと自分がもともと興味があった企業に比べて、会社のことを調べるのもおろそかになっちゃいそうですよね〜。
面接を受けるならすべての企業で念入りに調べるべきなんだろうけどね。今回ばかりはぺーちゃんの言わんとしていることも分からんでもないよ。


いわゆる「企業研究」についての話だな。結論から言うと、どこまでも念入りに調べるべきだ。
面接する企業のことをどれくらい調べたら良いの?
「どこまでも」って言っても、企業研究ってキリがないように思うのですが……。
その通り。企業は日々成長と変化を繰り返している。それでなくとも会社という歴史を紐解く作業だ。勤めている者のブログ調査などまで含めてしまうと、本当に際限なく調べることができるだろう。
そうそう、その「際限なく」っていうのが困るんですよね〜。なんならこのご時世、インターネットの繋がったPCさえあれば、一日中情報を得ることもできますからね。
なくはないが、二人とも、なにか勘違いをしていないだろうか?
念入りな企業研究でライバルに差をつけよう
インターネットで見つかる情報はほとんど価値がないといっても過言ではない。
え、そんな! 会社概要だけでなく取引先や求人の情報とかもあるし、転職活動で有益な情報は結構手に入ると思うんですけど……。
それも間違ってはいない。ただ目を背けないで欲しいのは、そういった情報はライバルの転職希望者たちでさえも、容易に入手できてしまうという点だ。それこそコタツに入ってみかんでも食べながら、な。
そう考えると、インターネットで手に入る情報にどれだけの価値があるといえる? 採用面接を行う際、他の転職希望者より秀でていない情報など、私はほとんど価値がないと考えている。それこそ、「やって当然」という範疇ではないだろうか?
今回は企業研究の方法を解説していくが、まずはこのことを念頭に置いて欲しい。簡単に手に入る情報に、価値はほとんどない。
1)企業サイト・求人情報サイト
とはいえ企業研究の入り口は企業サイトで問題ない。企業サイトは対外的につくられているため、広く浅い情報を手軽に手に入れるのに最適だ。
企業の全体像をつかむのにうってつけというわけですね。
具体的にはどういった点を確認するのが良いでしょうか? やはり、女性社員のプロポーションですか?
広く浅い情報源なので、広く浅く見るのが正解だ。しいて言うならば、以下の点をチェックして欲しい。
- 会社概要・沿革
- 経営方針・理念
- 組織図・体制
- 採用情報
- 直近のニュース
- 自社製品(サービス)
- 取引先情報
挙げたらきりがないが、とにかく概要に目を通すつもりで把握に努めよう。
特に採用情報は気になります! 職種がいっぱいあったり、大きな会社だと社員のインタビューとかも載っていますね。
同様に各求人サイトに載っている情報もチェックすべきでしょうね。そういったサイトの確認の際、なにか気をつけるべきことはありますか?
会社にとって不利な情報はまず載っていないと考えることだ。たくさんの者に応募してもらいたいので、良い部分だけを抽出して記載しているなどということは茶飯事だ。
この段階で一喜一憂するのはナンセンスというわけですね。
これは上級編になるが、株式を公開している会社であればIR情報も活用して欲しい。
IRは会社が投資家に向けて経営状況や財務状況などを発信する、広報活動のことだね。
この情報をもとに新聞や業界紙などを使って情報の詳細を入手していくことも有効だろう。マストではないが、モアベターな企業研究法だ。
2)業界新聞や専門誌
「1)企業サイト・求人情報サイト」までは誰でも手軽に入手できる情報だ。ここからが企業研究の中核だと思って欲しい。
業界ごとの新聞や専門誌は、どういったところで入手できるんですか?
探し出すまではやはりインターネットの利便性に頼ろう。「業界名+業界紙」で検索すれば、多くの分野で専門誌が見つかるだろう。
こんなサイトもありましたよ。業界紙などのオンライン書店ですね。
そういったサイトで購入するもよし、図書館で探すもよしだ。規模の大きな図書館になると、こういった業界紙が並んでいるものだ。
どれくらい前までのバックナンバーを読むのが基本ですか?
雑誌の文量が違いすぎるため、一概には言えないな。ただ、なにもびっしり隅から隅まで読み込む必要はないぞ。
ぱらぱらと眺めるだけでもその業界の流行や問題点が見えてくるものだ。またそれについての専門家(第三者)の意見が載っているものも多いので、自分の意見の幅を広げるのに大いに役立つだろう。
また大手の企業であれば「新しい商品を発売した」「大きな組織改編や人事異動があった」「決算発表があった」など、なにか大きな変化があった際は新聞や業界紙だけでなくwebニュースなどに掲載されていることも珍しくない。
webで手軽に入手できる情報はライバルに差がつかない分、知らないと減点だ。必ず目を通すようにしよう。
3)講演会やイベント、本社
カチコミ(名詞)
【年代】 昭和時代~【種類】 不良・ヤクザ用語
カチコミとは殴り込みのことで、主にヤクザが複数人で敵対する組事務所を襲撃することを意味する。後にツッパリや暴走族が他校の不良グループなど敵対するグループのアジトを襲撃する際にも使われた。
(日本語俗語辞書より)
エージェントYよ、解説しなくて良い。
大きい会社であれば立ち入り自由なショールームがあるものだ。自社サイトに書いてあるので、是非調べて欲しい。
要するに雰囲気をつかむことが大切だと思いますので、会社から出てくる社員と思われる方の顔つきやしぐさを見るだけでも、得られるものがありそうですね。
素晴らしい意見だな。同様に会社主催のイベントや社長の登壇するイベントなどがあれば、可能な限り参加するべきだ。
含まれるどころの話ではない。
会社説明会は必ず出席すべしだ!
それについて盟友であるベテラン人事担当が解説してくれている。こちら記事も是非チェックして欲しい。
うーん、会社説明会は納得ですが、会社主催のイベントまで行くのは面倒ですね〜。
4)口コミサイト
そんなめんどくさがりなエージェントPには、転職口コミサイトを教えよう。
転職の……、口コミサイト……?
食べログみたいなもんですか?(笑)
企業ごとに現職者や以前勤めていた人が口コミを書いているんだよ。まるでお店のレビューを書くみたいにね。
えー、それは凄いですね!!
例えばどんなことが書かれているんですか?
給与制度(昇給やボーナス)の仕組みや労働環境(残業が多いか少ないか、休日を取りやすいかどうか)など、内容は多岐にわたる。
いずれにしても
人事担当者には聞きづらい内容じゃないですか! ちょう読みたい!
……いや待てよ。でも口コミが書き込まれてるのって、大企業だけなんじゃないですか〜?
それがそうでもないんだよ。
例えば転職口コミサイト大手の「転職会議」では、口コミ社数が約62万社と書かれている。それに対して、経済産業省が出しているデータを見るといわゆる中小企業(社員数20名以上)数は約52万社なんだ。(出典:http://goo.gl/uBHhev)
これがどういうことか、ぺーちゃんは分かる?

えっと……、社員数20人以上の企業はだいたいカバーしている!
求人をかけているような活発な企業は、ほとんどがカバーされているとみて良い。
へ〜! ちなみに、そんな転職口コミサイトの大手といえばどこですか?
登録には前職か現職の口コミを書かなければならない。あまり多くのサイトに登録するのも手間なので、まずはこの4サイトで良いだろう。
転職口コミサイトについては別途記事を書いているので、そちらを確認し、正しい使い方を習得してもらいと思う。
でも、こんなにいいサイトがあるなら、企業研究これだけでいいじゃないですか!!
ぺーちゃん、甘すぎだよ。まるで蜂蜜に漬けた角砂糖にチョコレートかけたみたいだね。
5)OB・OG訪問
いいかエージェントP、よく聞け。そのような口コミ情報は、半信半疑でかかるくらいがちょうどいい。くれぐれも鵜呑みにしてはならないぞ。
たとえば非常に真面目で優良な企業があったとしよう。しかし、怠けがちで個人的にウマが合わず退職した人がレビューを書けば、ひどい内容になるのは目に見えている。
それに、登録にはどこかしらの口コミを書くことが必須条件なので、面倒で適当なことを書くかもしれないよ。
そこでOB・OG訪問だ。これこそが企業研究のリーサル・ウェポンなのだ。
やはり実際に働いている人のお話に勝る情報はないですよね!
でも、僕、友達とか人脈とかまったくなんですけど……。
昨今はSNSが発達している。例えばフェイスブックで直接お願いするもの一つの手だ。お世辞にも高い確率で場をセッティングできるとはいえないが、成功すればまたとない機会になる。
OB・OG訪問で承諾される確率をあげるためのコツとかってありますか?
やはり母数は多いほうが良い。数撃ちゃ当たる理論だ。そういった場合は、ライバル会社や同業他社を視野にいれるといいだろう。
エージェントPよ、まだまだ青いな。同業同士は互いの内実を知っているものだ。それもブルーオーシャン(専門的)な市場の会社であれば、なおのことな。ライバル会社なんて、実際に勤めている社員よりも冷静に会社を分析できていたりするぞ。
面接後の再検討で、入社後のミスマッチをゼロに
企業研究について理解が深まりました! でも、「5)OB・OG訪問」以外はすべて二次情報なのが残念ですね。
その「一次情報」ってのがなにかを解説してくれてもかまわねぇぜ!!

このように、自分で直接見たり聞いたりしたものを一次情報、誰かや何かを媒介に経由して見聞きしたものを二次情報って言うんだ。
確かに二次情報よりも一次情報のほうが価値として数段高い。ただし、OB・OG訪問のことを考えれば分かるように、入手難度も数段高くなる。
ただし、転職活動の中には必ず手に入る一次情報があることを忘れないで欲しい。
6)採用面接
答えを言ってしまうと、「採用面接」がそれにあたる。
採用面接……。
あ! 面接の最後にある質問の時ですね!
ああ、あの「最後に質問はありますか?」って聞かれるやつですよね。あれってなんて言うべきか分かんないっすよね〜。
あれこそ企業で働く者に直接企業のことを尋ねる最大のチャンスなのだ。
もちろん年収等の失礼な質問は聞くべきではないし、タイミングも重要になってくるが、無難な質問ばかりする必要はない。自分が知りた一次情報を引き出せば良いのだ。
7)転職エージェント
でも、この面接もチャンス次第ということになりそうですね。そもそも「最後に質問はありますか?」だなんて聞かれないパターンもあるでしょうし。
うむ、それもまた事実ではあるだろう。
ところでエージェントYよ。転職エージェントは何次情報だと思う?
そうですね。企業からエージェントを経由して伝わっているので、二次情報ではないでしょうか?
そうだな。もしかすると企業側のエージェントをさらに経由する可能性もあるため、3次情報であるかもしれない。
しかし、情報を伝えてくれる転職エージェントとの信頼感を高め、ほぼ齟齬のない内容を伝えてくれるとなれば、一次情報となりうるとは思わないか?
当然エージェントと優良な関係を構築できることが必須条件になるが、達成した場合はとても強力な企業研究の情報源となることだろう
まとめ 〜Easy come, easy go〜
企業研究についてのご指導ありがとうございました! 非常に勉強になりました!
ときにエージェントPよ、“Easy come, easy go”とはどういう意味か分かるかな?
それは“イージードゥーダンス”の方だね。
イージーカム、イージーゴー。つまり簡単に手に入ったものは、簡単に出て行ってしまうということですね。
そうだな。そしてこの企業研究でも同じことが言えると思う。
簡単に手に入れた情報はライバルとの差別化がしづらく、価値が低い。
一次情報により近い「自分だけの情報」をどれだけ入手できるかにかかっている。
時に自分の足を使い、時にエージェントを利用し、是非とも企業研究に挑戦して欲しい。
ちなみに、エージェントから情報を得る際はどこがいいですか?
リクルートエージェントは各企業を担当するリクルーティングアドバイザーが、企業から収集した情報をもとに求人表を作成している。つまり志望業界の最新動向といった周辺情報にも詳しいというわけだな。
>>リクルートエージェントを情報収集の味方につける。
また「JACリクルートメント」はすべてのエージェントが企業と直接やり取りをしている<両面型エージェント>だ。より一次情報に近い内容を得たいなら、こちらに頼るのもありだろう。
>>JACリクルートメントを情報収集の味方につける。
結局は相性だからな。たくさんのエージェントと会うことも転職を成功させるうえで欠かせない要素だ。
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